旅のハウツー:スイスで列車に乗る方法

スイスは日本と同様に鉄道網が発達していますので、スイスの個人旅行は鉄道が便利です。

そこで、本稿では、切符の購入から座席指定、時刻表や駅の表示板の読み方、ホームでの列車の待ち方、乗車や降車の仕方、車内での検札の受け方、注意すべきこと、について解説します。

ピークパスの購入については次を参照ください。

旅のハウツー:スイス私鉄の割引切符の買い方

改版履歴

  • 2017 〜 2017年に対応。
  • 2017 〜 乗り遅れた時の行動に関する記事に加え、Request Stopを追加。
  • 2018 〜 窓口ならびに自動券売機での切符の購入方法を追加。

目次

  1. スイスパスの種類と特徴
  2. スイストラベルパスを購入するかどうかの判断
  3. 切符の購入
  4. 座席指定
  5. 時刻表や駅の表示板の読み方
  6. ホームでの列車の待ち方
  7. 乗車や降車の仕方
  8. 車内での検札の受け方
  9. 車内で注意すべきこと
  10. 乗り遅れた時の行動 NEW

スイスパスの種類と特徴

スイスパスには次の五つがあります。

  1. スイストラベルパス
    スイス国内の鉄道・バス・湖船が連続する所定日数で乗り放題となります。
  2. スイストラベルパスフレックス
    スイス国内の鉄道・バス・湖船が一ヶ月内の乗りたい日が乗り放題となります。
  3. スイストランスファーチケット
    スイスに入国した空港駅または国境駅から目的駅まで、最短ルートで途中下車無しの1往復ができます。
  4. スイスハーフフェアカード
    スイス国内の鉄道・バス・湖船などを最大50%割引で購入できます。
  5. スイスファミリーカード
    上記のパスやチケットを持つ両親に同伴された16才未満の子供の料金が無料となります。

スイストラベルパス(フレックス)を購入するかどうかの判断

SBBでの移動が多い場合は別ですが、スイストラベルパスを購入するよりも、ハーフフェアカードを持って窓口または自動販売機でチケットを購入するほうが安価になります。
私は、「スイストラベルパス(フレックス)を購入するメリット」は次の点にあると思います。

  1. 切符を販売する窓口で並ばずに乗車・乗船できる。(時間が節約できる)
  2. SBB以外の切符も半額で購入できる。
  3. 美術館、博物館などの入場料が無料になる。

なお、割引がどのように適用できるかは路線や区間によって異なります。
最新の適用路線図を参照して確認ください。

切符の購入

スイス国鉄(SBB)の切符

SBBの切符は幾つかの種類があります。
代表的なものを取り上げると、次のようになります。

  1. 切符(Ticket, or Billet)
  2. スイストラベルパス(Swiss Travel Pass)

切符は窓口や自動販売機で購入する乗車券です。
スイストラベルパスはは連続した期間(4日、8日、15日、22日、1ヶ月)の割引を行う切符ですが、1ヶ月内で利用する日数(3日、4日、8日、15日)を指定して割引を行うスイストラベルパスフレックス(Swiss Travel Pass Flex)があります。

2015年、スイスフレキシーパス(Swiss Flexi Pass)はスイストラベルパスフレックス(Swiss Travel Pass Flex)に名前が変更され、セーバータイプ(Swiss Saver Flexi Pass)とスイスカード(Swiss card)が廃止されるとともに、適用日以外の割引購入にはスイスハーフフェアカード(Swiss Half Fare Card)の併用が必要になりました。

6歳~15歳の子供を同伴する家族を対象に割引をするスイスファミリーカード(Swiss Family Card)もあるようです。

26才未満の方にはスイストラベルパスフレックスユース ( Swiss Travel Pass Flex youth )もあります。

また、全ての切符に共通する基本的なことに、一等、二等のクラスがあります。
一等は二等より乗車する車両の品位が高いものとなっており、当然に料金も高く設定されています。

私たちは、いつも、二等のセーバータイプのスイスセーバーフレキシーパス(Swiss Saver Flexi Pass)とTicket(Billet)を併用していましたが、2017年はスイストラベルパスフレックス(Swiss Travel Pass Flex)とスイスハーフフェアカード(Swiss Half Fare Card)とTicket(Billet)を併用しました。

以上を簡単にまとめます。

 スイストラベルパススイストラベルパスフレックス
有効期間連続した4、8、15、22日間、1ヶ月1ヶ月のなかで予め利用日数を確定したうえで、3・4・8・15日の利用ができる
割引内容決められた期間は 鉄道、バス、船が乗り放題予め指定した利用日数(3日、4日、5日、6日)を指定、その間は鉄道、バス、船が乗り放題 (利用した日付をパスに記入する)
他線連携割引ほとんどの登山電車、ロープウエイ、ケーブルカーのチケット購入が50%割引ほとんどの登山電車、ロープウエイ、ケーブルカーのチケット購入が50%割引
適用日以外の割引購入にはスイスハーフフェアカード(Swiss Half Fare Card)の併用が必要
ファミリー割引スイスファミリーカード(Swiss Family Card)スイスファミリーカード(Swiss Family Card)
その他スイス国内の公共交通機関が無料で利用できる
多くの博物館や美術館(ミューゼウム Museum)が無料で拝観できる
スイス国内の公共交通機関が無料で利用できる
多くの博物館や美術館(ミューゼウム Museum)が無料で拝観できる

詳しくは、SBBまたはマックスビスタトラベル(株式会社 欧州エキスプレス)のホームページをご参照ください。
http://www.ohshu.com

バリデーション(Validation)について

スイスの切符は日本と異なり、購入しただけでは通用せず、バリデーション(Validation)という手続きが必要です。

バリデーションは現地でSBBの窓口で行えますし、日本でバリデーション済みの切符を購入することもできます。
いずれも、通用開始日を指定して手続きしてもらいます。

登山鉄道等の私鉄の切符

登山電車等の私鉄の切符は、日本で購入する場合、現物ではなく、交換用のクーポンを購入することになります。
その現物への交換は現地の私鉄の窓口でないと行えません。
その際、思わぬトラブルに見舞われることがあります。

私たち夫婦が最初にスイスを訪れた時、インターラーケンオスト駅でクーポンを交換しましたが、
日本の代理店からクーポン一枚で二人分と説明されていたにもかかわらず、現地では一人分の切符になってしまったのです。
しかも私たちは、それが一人分の切符だということも分からない状態でしたので、どうしようもありませんでした。

この経験から、現地の窓口での購入をお薦めします。

窓口での切符の購入方法

駅の窓口で切符を購入する場合、次の点を英語(ただし、地名や駅名などの固有名詞は現地語)で紙に記載して、窓口で対応をお願いするのが良いと思います。
(固有名詞の発音は、難しいので)

  1. 行き先
  2. 購入したい切符の種類
  3. 片道か往復か
  4. 人数
  5. クラス
  6. バリデーションの日付
  7. 支払い(カードか現金か)

自動券売機 (Farkartenautomaten)

大きな駅でも、小さな駅でも必ず自動券売機(Farkartenautomaten)が目につく場所に設置されていますので、窓口が混雑している場合などの際には利用できます。
また、Goppensteinのように窓口のない駅もあって、その場合にはこれを利用せざるをえなくなります。

ゴッペンシュタイン駅 (stn.Goppenstein) の自動券売機 (Farkartenautomaten)

ゴッペンシュタイン駅 (stn.Goppenstein) の自動券売機 (Farkartenautomaten)

 

写真中央の緑色の機械が自動券売機(Farkartenautomaten)です。

自動券売機(Farkartenautomaten)での切符の購入方法

自動券売機は、タッチできる画面と切符が出てくる穴と、コインとお札とクレジットカードを入れる穴が付いています。
誰も操作していなかった場合、画面は消えています。
その場合、画面のどこでもタッチすることで表示が復活します。

右の一番上の縦長の穴が切符出てくる場所。
その下の横長の穴が現金(お札)を入れる場所。
その下がクレジットカードを入れる場所。
(クレジットカードの暗証番号を絶対に間違えないように)
左の上の縦の穴が現金(コイン)を入れる場所。

操作

まず最初に画面の最下行の言語の選択ボタンであなたのお好きな言語を選択してください、
例えば、英語(English)

次に、「今日の切符(Tageskarten)」をタッチして、切符の購入手続きを開始してください。

窓口での購入と同様に次の点を順次尋ねられますので、画面に表示されるガイドに従えば、それほど難しいことはなく、切符を購入できます。(カード払いでも現金払いでもOK)

  1. 行き先
  2. 購入したい切符の種類
  3. 片道か往復か
  4. 人数
  5. クラス
  6. バリデーションの日付
  7. 支払い(カードか現金か)

切符なしでの乗車

列車内での切符の所持は乗車する人の当然の責任です。
時間がないから車内で購入すればいいと安易に考えていると、車内で切符を売ってくれる車掌がいない列車があります。
列車に切符なしで乗ってしまわないようにしましょう。
「すみません」では済まず、高額の罰金を請求されることになります。

スイストラベルパスフレックス(Swiss Travel Pass Flex)の購入後になすべきこと

それは、スイス国内を旅行する外国人の個人を特定して割引をするもの。(氏名と性別が印刷されています)
これがパスポート記載のものと一致することが必要です。
ご自分のパスポートと照合して確認ください。
さらに、パスポート番号の記入が必要です。
パスポートをテーブルの横において確認しながら、間違いのないよう慎重に記入してください。

また、バリデーション済みのスタンプとともに、使用開始する最初の日の日付と、その使用期限となる日付が記入されています。
これも、予定した日付とあっているか、確認をお薦めします。

スイストラベルパスフレックス(Swiss Travel Pass Flex)で乗車当日にすべきこと

スイストラベルパスフレックスは、使用開始後一ヶ月間に利用する回数を決めています。
このため、当日利用する前に、その日の日付を記入しなければなりません。

記載順は月日ではなく、上から日(Day)、月(Mth)となります。
間違えないように注意が必要です。

座席指定

 日本で新幹線や特急列車に乗る場合、事前の座席指定が必要です。
座席指定のない場合は着席できない不便を強いられます。

しかし、スイスでは少し事情が異なります。
まず第一に列車のタイプ(一等とか二等というタイプではなく列車のタイプ、IRとかICEなどのタイプですが)、これによって料金が変わることはありません。

第二に、乗客のために十分な座席が確保されているので、事前に座席を指定する必要を感じません。
このためか、現地では座席指定の習慣がありません。

第三に、ホーム上で列車のドアが開く位置がマークされていないので、予め座席目当てに行列は形成されません。
到着後、皆さんがゆっくりとドアに向けて歩き出します。
あわてなくても、停車時間は十分長くとられています。

第四に、座席指定の表示は座席の上の小さな札入れに表示される方法ですが、気にして着座を避ける人はおられません。

座席上の表示板

座席番号に対応した札入れになっていて、予約した人の氏名と区間が記入された札が挿入される。

DSC01096

自分が予約した座席に先客がおられた場合は代わっていただけますが、あまり気分の良いものではありません。

以上のようなことから、私は事前の座席指定はお金の無駄にもなるので、お薦めしません。

ただし、氷河特急のような人気コースで特別の観光列車に乗って、景色や料理やワインを楽しみたい場合は別です。

日本から列車のチケットやパスを手配する場合、スイス国鉄(SBB)の端末を保有する業者に依頼する必要があります。
私たちは、次の業者に依頼しました。
ご利用は自己責任で行ってください。

マックスビスタトラベル(株式会社 欧州エキスプレス)

〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-16-8
ビジネスヴィップ渋谷道玄坂坂本ビル3階
TEL : 03-3780-0468 FAX : 03-3780-5468
HP : http://www.ohshu.com/
営業時間 月~土曜日 10:00-18:30(日曜日・祝祭日休み)
東京都知事登録旅行業第3-3705号/日本旅行業協会正会員

時刻表

SBBの時刻表には、列車を利用するために必要な多くの情報が表示されています。

  1. 列車のタイプと名称
  2. 停車駅とホームの番号
  3. 駅ごとの到着時刻と発車時刻
  4. 連結された車両の構成(食堂車や自転車置き場の有無など)

また、概要版と詳細版(Show intermediate stops)があります。
概要版には乗換駅のみが記載され、途中の停車駅や通過駅が記載されません。

もう一つの重要情報として、「route information」があります。
これには、その列車の始発駅と終着駅、そしてその間の全ての駅名と到着時刻と出発時刻が表示されています。
利用の際には、日本で詳細版とともに「route information」を印刷して必ず携行しましょう。

駅の表示板(Fernverkehr)の読み方

 列車に乗る際には、予め印刷して携行している時刻表が一番頼りになる情報源になります。
時刻表に記載された到着時刻と番線のホームに当日の列車運行が異常なければ、ほぼ正確に列車は到着するでしょう。
しかし、念には念をいれて、駅の表示板を確認します。
確認したい表示板は、コンコース等にある大型のものと、ホームにある小型のもの、この両方ですが、ホームにある表示板は列車到着時刻の10分前くらいに更新されるようです。

コンコース等の大型表示板

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大型表示板に掲載される情報

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コンコース等の大型表示板に掲載される情報を「左から順番にあげると、次のとおり。

  1. 出発時刻
  2. 列車のタイプ
  3. 主な停車駅と目的地
  4. 出発ホーム

 

ホームの小型表示板

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ホームの小型表示板に掲載される情報は次のとおり。

  1. ホームの番号
  2. 出発時刻
  3. 列車の種別
  4. 主な停車駅と目的地
  5. 車両の種別毎の停車位置情報

 

これを確認したうえで指定された番号のホームに移動すれば、間違いは避けられると思います。

ホームでの列車の待ち方

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 ホームには必ず、一等と二等の区別とともに、その場所付近に停車する情報がA,B,Cの区分で表示されています。
これを確認したうえで、適切な場所に移動します。

二等であれば、「C」「2」と表示があると思います。

乗車や降車の仕方

列車の確認

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列車が停車したら、ドアの横に表示されている行先表示を確認しましょう。
この確認が、自分が思いもしない場所に連れていかれてしまうリスクを防止する最後の安全弁となります。

行先表示には、列車の名称と始発駅と終着駅が表示されています。
携行した「route information」と照合してください。

乗車と降車

日本とは異なり、スイスの列車のドアが自動では開きません。
列車タイプがICやICEではボタンを押すことで開閉します。
IR ではボタンではなく、ノブを手動で操作して開閉します。

また、列車の床がホームの高さより高くなっていますから、ご注意ください。
重いスーツケース等で苦労している方を見かけたら、「May I help you.」と声をかけて、手伝ってあげましょう。

Request Stop

乗客が何もしなくても、予定された停車駅の全てに列車が停車してくれるのではありません。
降りたい乗客がボタンを押した時だけ停車する駅があります。
そういう駅の直前に、車内のアナウンスで「Next Request Stop ○○○!」と案内されますので、聞き逃さないようにしましょう。

発車の合図

発車の合図やドアが閉まるとのアナウンスは、日本と異なり、全くありません。
発車もアナウンスはありません。
静かに動き出します。

車内での検札の受け方

列車が発車すると車掌さんが必ず検札に来られます。
スイストラベルパスフレックス(Swiss Travel Pass Flex)で乗車している場合は、パスとともにパスポートの提示を求められることがあります。

車内で注意すべきこと

一編成の列車が始発駅から終着駅まで変わらない列車が多いです。
しかし中には、二つの方向に向かう列車が一編成に連結されていたり、
途中の駅で一部の車両が打ち切りになることがあります。
そのような場合、車掌さんが気づいてアドバイスしていただけると助かります。
しかし、他人力ではなく、自力でなんとかしたいものです。
乗車したら、社内の表示を確認したり、案内放送を聞いたり、聞ければまわりの方に尋ねたりしましょう。
スイスでも日本同様に大きな駅の到着前には各国語+英語で放送があります。
私たちが経験した事例を参考にあげておきます。

  1. Interlaken Ost. → Grindelwald
    前 Lauterbrunnen, 後 Grindelwald
  2. Bern → Kandersteg
    前 Kandersteg, 後 Zweisimmen
  3. Visp → Zurich Flughafen
    Zurich HBで後ろ(Visp では前)の車両を切り離し。
  4. Zurich Flughafen → Visp
    Zurich HBとBernで列車の進行方向が逆転する

乗換の仕方

乗換で分からなかったことは、ほとんどありません。
しかし、ブリーク駅 Stn.Brig だけは、別です。
フィスプ Visp 方面からフィーシュ Fiesch 方面へ直通で向かう際のこと。
ブリーク Brig 止まりの列車に乗って来て、そこで乗換た時のことでした。

コンコースの表示ボードにフィーシュ方面行きの列車の表示があるのですが、 そのホームが見当たりません。
なんと、それは駅を外に出た大通りの中にあったのです。
まったく想定していなかった場所でした。
ご参考になれば、幸いです。

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ブリーク駅の大通に停車したフィーシュ行きの列車

 

乗り遅れた時の行動

スイスの列車ダイヤは乗換を前提に組まれているものが多いと思います。
その際、隣のホームの列車に乗り換えるのならば問題ないものの、違うホームとなると話が違います。
私達は恥ずかしながら行きはベルンで、帰りはフィスプで乗換で乗り遅れてしまいました。
その時、どう行動すれば良いか知っていれば、慌てる必要はありません。

ホーム間を移動する通路(たいてい地下)には小型の表示板(Fernverkehr)があります。
これには次の重要な情報が表示されています。

  • 出発時刻
  • 列車のタイプ
  • 主な停車駅と目的地
  • 出発ホーム

これを見て、自分の行きたい停車駅が表示された列車を見つけ、出発時刻と出発ホームを確認します。
あとは、時間を潰す方法を考えるだけ。
あわてる必要はありません。

おわり

ここで筆を置きます。
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございます。

スイスアルプスハイキングとクラシカルソフトウエア

 


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