エッセー

アルプスの温暖化について思うこと (Thinking global warming in the Swiss Alps.)

2017/10/6

私達は「地球温暖化がスイスアルプスにおいて進行し、それによる災害が起こっている」ことなどに思いをはせることなく旅してきました。
しかし、それは誤りだと気づきました。

きっかけは、いつものようにトリフトバッハ入口の橋を渡って、ホテルエーデルワイスに向けて登り始めた時、二人の若者に声をかけられたことから。

トリフトバッハの道は途中にある放水口から水が急に吹き出してくる危険があるから、別の道に迂回したほうが良いと。
貴重な二人の時間を割いて、見知らぬハイカー一人ひとりに危険を回避させようとしていた。
「災害リスクのある道を歩いていたんだな」と再認識させられました。

 

確かに昔から、トリフトバッハの道の途中には、危険をしらせる看板が立っていました。
しかし、何が起こりうるのか知りませんでした。

 

 

 

 

帰国して、インターネットで調べましたが、これに関する情報に接することができません。
しかし、地球温暖化の進行によるスイスアルプスの融解に関する情報を得ることができました。

温暖化の進行による岩雪崩が起こり、巻き込まれ行方不明になったハイカーが出た
Little chance of survival’ for missing landslide victims
https://www.swissinfo.ch/eng/rock-shock_village-evacuated-after-landslide/43464358

自分たちが歩いているときに、もしこのような災害が起こったら逃れることは難しい。
そう思うと、ぞっとします。

そこで、次の点を考えてみます。

  1. スイスアルプスで何が起こっているのか?
  2. これから、どんなことが起こりうるのか?
  3. 現地で災害に巻き込まれないために何ができるのか?

スイスアルプスで何が起こっているのか?

スイスアルプスの標高2500m以上の33%が北極同様に凍った永久凍土層で、
これが山の表面に岩や土を固く糊付けしている。
そして、気温上昇が続くと氷が解け、この糊付けが弱くなり、岩雪崩や落石を引き起こすリスクが増加するそうです。

Experts warn of more landslides as Alps melt
https://www.swissinfo.ch/eng/experts-warn-of-more-landslides-as-alps-melt/35512

実際、あちこちで岩雪崩などの災害が発生している。

バレー州

2017年9月10日 バレー州サースグルンド村のトリフトグレッチャーで岩雪崩が発生。
村には届かず。前日から退避勧告が出され、道路やハイキングコースが閉鎖されていた。

グラウブンデン州

2017年8月25日 グラウブンデン州ボンド村 ピッツ・センガロ山で大規模岩雪崩が発生、ボンド村に達した。14人以上のハイカーが行方不明。

Rescue crews search for up to 14 missing people after landslide in Swiss Alps
http://www.telegraph.co.uk/news/2017/08/24/eight-missing-landslide-swiss-alps/

Swiss halt search for landslide victims as more rockfalls expected
https://www.reuters.com/article/us-swiss-landslide/swiss-halt-search-for-landslide-victims-as-more-rockfalls-expected-idUSKCN1B60DX

Pictured: The heartbreaking sight which will welcome Swiss villagers when they return to their homes buried in mud after massive avalanche
http://www.dailymail.co.uk/news/article-4870482/Pictured-Damage-caused-avalanche-Swiss-town-Bondo.html

ベルン州

2017年8月22日 ベルナーオーバーラントの人気の湖 ゲルマーゼーの周囲で岩雪崩が発生、6人が負傷した。

Six injured in rockfall at popular Swiss lake
https://www.thelocal.ch/20170822/six-injured-in-rockfall-at-popular-swiss-lake

これから、どんなことが起こりうるのか?

以下のことが「MySwissAlps.com」にて予告されています。

Global warming in Switzerland
https://www.myswissalps.com/aboutswitzerland/nature/environment/globalwarming

  1. 激しい雨や洪水(floodings)のリスクが増える。
  2. 永久凍土の融解が進み、岩雪崩の発生リスクが高くなる。
  3. 高山植物の分布が北へ変わる
  4. 夏スキーが難しくなる

1や2は、とても恐ろしいこと。
巻き込まれないようにしたい。

現地で災害に巻き込まれないために何ができるのか?

計画段階

日本では、洪水、火山噴火、地震、津波など、いろいろな自然災害が発生しています。
これらのリスクに対処するため、どの場所がどのように危険なのか、地図の上で示したハザードマップが整備されています。

スイスにおいても、日本と同様にハザードマップが州ごとに整備されています。
これを見れば、どの場所がどのようなリスクに晒されているのかわかります。

これを使えば、リスクの少ない移動経路や宿泊場所などの選択に活かすことができると思います。

Gefahrenkarten, Intensitätskarten und Gefahrenhinweiskarten
https://www.bafu.admin.ch/bafu/de/home/themen/naturgefahren/fachinformationen/naturgefahrensituation-und-raumnutzung/gefahrengrundlagen/gefahrenkarten–intensitaetskarten-und-gefahrenhinweiskarten.html

ドイツ語ですが、ここからカントン(州)を選択すると、それぞれのハザードマップを参照できます。

実行段階

毎日、宿に戻った後、翌日の行動をどうするか考えるため、気象情報を確認します。
それと同じく、自然災害に関するワーニングがでていないか、日々確認することが重要と思います。

Current natural hazards situation in Switzerland
http://www.natural-hazards.ch/home/current-natural-hazards.html

ドイツ語、イタリア語、フランス語、ロマンシュ語、英語です。

微力でもアルプスの温度上昇を遅らせるために

「MySwissAlps.com」では、「アルプスを守るためにできる五つのこと」を提案されています。
私はこれに賛同し、順守をこころがけたい。

  1. スイスへの渡航:可能ならば車や航空便を避け、列車を利用する。航空便は直行便にする。
  2. スイス国内の交通:可能ならば車の代わりに公共交通機関を利用する。
  3. 食べ物:ローカルな有機食品を食べる。
  4. 飲み物:ペットボトルのようなものでなく、水道の水を飲む。
  5. ゴミ:分別をして捨てる。

おわり
The END.

スイスアルプスハイキングとクラシカルソフトウエア
Schweizer Alpen Hiking and Classical software

 

チェルマットの展望台 (An observatory in the Zermatt.)

2017/5/30

オーバーロートホルン 3414m 頂上から眺めたミシャベル山群

The Mount Mischabel from the sumitt of Oberrothorn 3414m/

 

 

スイスにはとても見晴らしの良い展望台が幾ツも知られています。
その中でも、私たちが愛するチェルマットの展望台。
それは、オーバーロートホルン 3414m とホーバルメン 2665m です。

オーバーロートホルン Oberrothorn 3414m

この頂上からは360度、遮るもののない大展望を楽しむことができるのです。
特に、ミシャベル山群の眺めは、ここだけしか味わえないものがあります。

ただし、ここに登ることできるのは、雪の無い夏の天気の良い日、日本アルプスを歩き慣れ登山技術を身につけた方に限られます。

オーバーロートホルン (Oberrothorn)

 

オーバーロートホルン山頂付近から眺めるマッターホルン

The Matterhorn 4478m from near the summit of the Oberrothorn 3414m.

 

ホーバルメン Höhbalmen 2665m

ここは、ミシャベル山群やガーベルホルン、マッターホルンなど、チェルマット周囲の全ての4000m峰を順番に眺めることができる、素晴らしい展望台です。

ただし、ここに登ることできるのは、雪の無い夏の天気の良い日、日本アルプスを歩き慣れた方に限られます。

ホーバルメン2012 (Höhbalmen2012)

ホーバルメンから頭を出したマッターホルン

 

ホーバルメン2665m 付近からマッターホルン 4478m

The Matterhorn 4478m from the Höhbalmen 2665m.

 

 

一般の方でも行ける展望台

上記にご紹介した場所は山慣れた方だけに立つことが許された展望台です。
登山に慣れない一般の方や子供でも、ほとんど歩かずに行ける展望台もあります。

ゴルナーグラート 3090m 、ウンターロートホルン 3104m 、クラインマッターホルン 3883m 、シュワルツゼー 2588m です。

ゴルナーグラート 3090m

ここには、チェルマットから終着のゴルナーグラート駅まで登山電車で登り、そこから軽い登り15分程度の歩きで到達できます。
モンテローザとゴルナー氷河の眺めは、見慣れていない方には、とても新鮮で、驚きと感動を与えてくれるでしょう。

 

雪のゴルナーグラート駅

Stn. Gornergrat snowed.

 

 

ウンターロートホルン 3104m

ここは、チェルマットから電車とロープウエーを乗り継いで行くことができます。
しかも、歩く距離はとても短い。
リンプフィッシュホルンや、モンテローザとマッターホルン、ダンブランシュ、ガーベルホルン、ワイスホルンの眺めは、素晴らしいものがあります。

 

ウンターロートホルン 3104m 頂上から、左はリンプフィッシュホルン 4199m 、右はシュトラールホルン 4190m

Left Rimpfischorn 4199m, and Right Strahlhprn 4190m from the summit of the Unterrohthorn 3104m.

 

クラインマッターホルン 3883m

ここもチェルマットからロープウエーの乗り継ぎで行くことができます。
しかし、通常行くことができるのは、レストランと雪のプラトー、そして氷河の見学コースに限られます。
その上の展望台へは、雪が解けない限り、行けません。
しかし、プラトーからは雲が消えれば遠くにモンブランを眺めることができます。

 

雪のプラトーからモンブラン 4811mの遠望

Mont Blanc 4811m from snowed plateau on the Klein Matterhorn 3883m.

 

 

 

シュワルツゼー 2588m

シュワルツゼー 2588m は、クラインマッターホルンに登るロープウエーの途中駅の一つです。
ここは、ツムット氷河やヘルンリ小屋方面へのハイキングの起点、となる駅です。
マッターホルンには肉薄していて、とても大きく迫ってきます。

 

シュワルツゼー駅からマッターホルン 4478m

Matterhorn 4478m from Stn. Schwarzsee.

 

 

 

おわり
The END.

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どうしてスイスの山に惹かれるか (How do we love mountains in the Switzerland?)

2017/5/23

    Matterhorn from the Hohbalmen ホーバルメンからマッターホルン

Matterhorn from the Hohbalmen
ホーバルメンからマッターホルン

 

 

 

 

先日、予防接種のために近隣のお医者様を訪ねた。
その際、お医者様から、「スイスの山に良く登られているのですね。
他の国の山には登られないのですか?」と尋ねられた。
そこで、改めて考えてみることにしました。

若い現役クライマーだった頃

私が現役の頃、といっても、一流などではなく、三流以下だったと思います。
近隣の岩場(三ツ峠、越沢バットレス、つづら岩、日和田山)で練習しつつ、谷川岳一の倉沢や北岳バットレスや前穂高岳の奥又白谷周辺や屏風岩を登っていました。
この頃、憧れていたのはヨーロッパアルプスの大岩壁でした。
碧い空に花崗岩の乾いた岩の暖かい感触。
厳冬期の凍った白い氷壁に映える暗い青空。
その下に点々と続くトレール。
これらが好きでした。

現役引退してから

28才の時に墜落事故の経験から現役を引退。
人生の良きパートナーにも恵まれ、安全で楽しい山登りに転換しました。

私が経験した登山の危険性

それから長い年月、妻や家族、そして気の合う友人達とともに山登りを続けていました。
ヨーロッパアルプスは遠い夢、自分と妻にとって現実のものではありませんでした。

2006年8月
家族と登った燕岳から
早朝の槍ヶ岳

 

60才を過ぎて

還暦(60才)になった時、妻も私も今まで抱いてきたヨーロッパアルプスへの夢を実現せずに人生を終えるのは本意でないと気づきました。
やっぱり、やりたいことは元気なうちにやっておきたい。

その想いから。

行くなら、アイガーとマッターホルンのあるスイス。
最初は新田次郎の愛したグリンデルワルドでアイガー北壁。
次にチェルマットで、昔あこがれたマッターホルンを眺め、
ヨーロッパアルプスの雰囲気を満喫したい。

実際に行ってみると

自分で好きなように企画、好きなように実行する個人旅行です。
失敗もありました。
病気も経験しました。
でも、その都度、周囲の方々に助けられ、楽しい旅行を企画通りに実行できてきました。
日本の山では味わえない、氷河と高山植物や動物達が一枚の絵になる景色。
交通機関も便利で素晴らしい。

思うこと

行ってみて思うことは。

日本でいるときに困っている外国の方を見かけたら、
自分達に可能な限り、手助けをしてあげたい。

それが、私達に親切にしてくれた方々への恩返しになると思っています。

 

エッシネン湖

 

 

参考:私の山への想い

おわり
The END.

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Superior points founded by me in the Switzerland than Japan.

2017/5/18

 

 

 

 

 

I and my wife have gotten a trip to the Switzerland 5 times.
From that experiences, I found that there are some superior points than our country.
Firstly, clean power generation (e.g wind power, solar electricity).
Secondary, convenient railroad.
thirdly, use of land without waste.

Clean power generation

The Switzerland has 8,330,000 population in 2016.
And,the number of the total of hotel guests from foreign territory is 9,100,000 in 2016 first half.
It mean that the Switzerland has many tourists from foreign countries than it’s population.
And, it need electricity for over double populations of life.

Here, the world ranking site (http://top10.sakura.ne.jp/) is presenting statistics of Generation share of the Switzerland and Japan in 2016.
According to it;

Generation share of the Switzerland is Waterpower 56.8%, Atomic energy 37.4%, Heat 1.6%, Renewable energy 2.5%.
Also, Japan is Waterpower 7.6%, Atomic energy 1.1%, Heat 81.4%, Renewable energy 4.2%.

From it , Power supply of the Switzerland is mainly Waterpower, and Japan is mainly Heat.
And, the share of Renewable energy of the Switzerland is much more than Heat.
I think It may elicit a good deal of surprise among the readers.

By the way, I found that there are many small wind-power generators on an existing mountain hydroelectric power station site.
From it, I felt greedy posture using nature.
And I admired it.

p1010367

many small wind-power generators on an existing mountain hydroelectric power station site at the Zmuttgletscher in the Zermatt.

 

 

 

Convenient railroad.

I think that we couldn’t get the service that cooperated mutually (e.g railroad,  air transport, long-distance road transport) in Japan.
But in the Switzerland, we can get FlyRail Baggage Service and Station Check-in Service.
When we leave to destination, we can check baggage at airport of departure, and get it  at  station of destination.
Also when we return home, we can check-in at station of destination, and get it at airport in your home country.
Furthermore, A large truck (e.g. COOP, MIGROS) don’t run on highways, and get into a freight train.

dsc00655

 

A large truck gotten into a freight train.

 

 

 

 

And, relations between national railways and private railroad in the Switzerland is not conflict, but cooperative;

A great Gletscher Express is run joining with SBB (Schweizerische Bundesbahnen) , MGB (Matterhorn-Gotthard-Bahn) , and  RhB (Rhätische Bahn).

It will be the gift of such efforts.
CO2 discharge per population of the Switzerland is half of Japan.

CO2 discharge per population of the Switzerland is
39,050,000 tons, the 58th place of the world:

CO2 discharge per population  is 4.7 tons per person.

And Japan of it is 1,207,780,000 ton, the 5th place of the world.

CO2 discharge per population  is 9.5 tons per person.

 

Use of land without waste.

I think that there are some unused land where weeds grow thick in Japan.
But, I don’t find it in the Switzerland.

It is used for facilities (e.g. factory, house, store, airport, port, railroad, road), cultivation or pasturage on a slope of mountains.

The domestic animals put out to pasture (e.g. cow, pig, sheep, goat) walked around it freely and lively.
And they ate grass full of nourishment of nature.

 

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A pig eating grass by the roadside in the Grindelwald.

 

 

 

 

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A herd of cows walking a hill of grasses in the Grindelwald.

 

 

 

 

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Sheep herding in a grassland of a mountain in the Zermatt.

 

 

 

 

p1010341

 
Cows herding in a grassland near a glacier in the Zermatt.

 

 

 

 

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A cow which grazes grasses near a trackage in the Kandersteg.

 

 

 

dsc00261

 
Cows resting at a ranch of a mountain in the Kandersteg.

 

 

 

 

dsc00264

A goat passing me at a ranch of a mountain in the Kandersteg.

 

 

 

 

Therefore I think that Swiss cheese is delicious.
 
 

The END.

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私が経験した登山の危険性

2017/4/26

「私の山への思い」で綴ったように、私は九州のボタ山のそばで生まれ育ち、ボタ山を攀じ登ることから、私の山登り人生は始まった。
現在は、夫婦でスイスアルプスのハイキングを安全に楽しんでいる。

しかし、20代の頃には、自分の限界に挑戦する登山を行っていた。
本稿では、その頃に私が経験した危険な事柄を思い出してみる。

 

谷川岳一の倉沢・一の沢にて滑落

私は25歳で山岳会に入り、岩登りを始めた。
4月頃から会の先輩に連れられ、奥多摩のつづら岩や山梨の三峠山で毎週末に岩登りの練習に打ち込んだ。
7月頃に初めての本番、一の倉沢の南稜を登らせてもらった。
次に8月、一の沢に挑んだ。
南稜ではトップに立たなかったが、ここでは二人で交互にトップを交代する方法をとった。
このルートは、逆層の草付のスラブが続いていた。
乾いていれば問題ないが、あいにく、その日は雨の後で、濡れていた。
しかも、壁の中に生えた草木くらいしか支点がとれない。
草をホールドとしつつ、引っ張り力を加えないようにトップで慎重に登っていったが、滑ってしまった。
傾斜は緩いので草を幾つか掴みながら減速でき、数メートル滑っただけで止まることができ、命拾いした。
止まらなければゴルジュの下に転落して、負傷は免れないところだった。

その後は、一の倉沢は秋の乾いた日にしか登らないことにして、本谷と中央稜を完登している。

冬富士でのこと

夏山から冬山まで、オールラウンドなクライマーとして経験を積んだ頃のこと。
先輩から、冬(2月)の富士山に誘われた。
それで、やる気満々で、新しい蹴り込み部分が尖った12本爪のアイゼンを新調。
それを、ヤスリで手のひらに突き刺さるほどに磨いで挑戦した。
最初は快晴のグッドな状況で吉田大沢ルートを5合目から登り始めた。
登るにつれ、突風が強くなり、耐風姿勢で風に耐える時間が長くなっていた。
雪はコンクリートのように固くなり、雪の粒にかろうじてアイゼンの爪が引っかかっているだけ、ピッケルは全く歯が立たない。
その時突然、強い突風が吹き抜けた。
気がつくと、先輩の一人が突然倒れ、滑落停止の姿勢で止まっていた。
場所は9合の鳥居の少し上の辺りだった。
下を見ると、後ろから登って来ていた二人パーティーの一人が、慌てて降って行くのが見えた。
もう一人の姿が見えない。滑落。
我々も登攀続行は危険と判断し、降ることになった。
普通に降るのは危険なので、後ろ向きで四つん這いになって降った。
この時、私は顔に、先輩の一人は手の指に凍傷を負った。
これ以後、メンバーは誰も冬富士に再挑戦することはなかった。

つづら岩での墜落

つづら岩とは、奥多摩の大岳山の馬頭刈尾根にある岩登りの練習場です。
20代中頃、この頃の私は、技量も体力も、少し上達したことを感じていて、海外の岩登りを夢見るようになっていました。
ある日、所属していた山岳会の山荘整備をさぼって、友人と岩登りの練習に行ったのです。
いつものように交代でトップを取りながら、気のむくルートを休みなく、登ったり降ったりしていました。
止せばいいのに、いつもならセカンドでしか登らない、難しいオーバーハング気味のクラックをトップで挑戦してしまった。
この時、オーバーハングしたクラックだったので、左手と左足先の突っ張りで身体を支えながら、その途中にあるハーケンにシュリングを通してカラビナを設置する作業が必要でした。
これをしていたとき、足が滑ってしまい、墜落してしまったのです。

左手の小指と左膝のお皿を骨折する重症でした。
幸いにも頭を損傷することは避けることができたのは友人の確保が良く効いたからだと思います。
居合わせた大勢の方たちが動けなくなった私を担いで麓までおろしてくれただけでなく、整形外科まで連れて行ってくれたのです。
周囲の方々や先輩諸氏に大きな迷惑をかけた、忘れることのできない事件です。

穂高岳屏風岩青白ハング緑ルート

このルートの初登は1962年森田勝さんと青木敏さんである。
私は10歳以上若いパートナーと二人で1980年夏に挑んだ。
このルートは登れば登るほど、手前に迫り出してくる巨大なオーバーハングである。
従い、途中での下降は途轍もない困難を伴い、戻ることができない。
しかも、ボルトの間隔が遠く、金属のリングが抜けて、朽ちた細紐のリングのみのボルトがほとんど。
(170センチ近い身長のある私でも、あぶみの最上段に立ってやっと届くくらい。)
一つでも切れるか、ボルトが抜ければ、宙吊りは免れなかっただろう。
私たちはなんとか無事に完登できたものの、登っている最中は墜落の恐怖と闘っていた。
完登して森の中の小路に入ったとき、私たちは二人で生還の喜びに浸っていた。
と同時に、危険な岩登りからの引退を心に誓っていた。
赤ちゃんが生まれるのだ。
危険な山登りは止めよう。

おわり
The END.

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My inner thoughts to mountains in English

2017/4/13

I was born and grew up in Kyushu island in Japan; It’s near a slag heap.
And, when I was a pupil, I played a romp (ex: climbing a slag heap, getting insects on fields).
It was very happy days for me.

There’s my origin of mountaineering in it.
I love standing higher places.
So, I want to climb it.
But, I’m thinking ” It’s fun”.
For it, It’s safety and pleasant.

In my twenties, I had done mountaineering challenging my limitations.
I climbed some precipices;
In summer and fall, a big mountain stream Ichinokurasawa and Machigasawa  in Tanigawadake, a big wall Kitadake Buttress in Kitadake, Okumatashirotani and Byobuiwa in Maehodakadake.
In winter, a big mountain stream Ohrentani in Kaikomagatake, a frozen fall in Yokodake-Yatsugatake.
And, I had slip and narrow escape at a steep rocky surface in Ichinokurasawa.
And, I had falling at my practice ground Tsuzuraiwa in Okutama.
Then, I made a trouble to many people.

I understanded in that; having accidents in the mountain gave losses to himself, but also his families, colleagues, and people arround.
So, I must not twice it.

Also, There’s many Alpinist who has done great performances.
But, there are many over forty years old Alpinist who has done hard climbing lost in mountains.
So, I ask fun than hard.

Policy

  1. Not climb to snow mountains in winter.
  2. No climb rocks and streams.
  3. Consider “Is difficulty no problem?” , ” Is there danger points?”.
  4. Give top priority to safety.
  5. When expectation is bad weather, wait on safety place till the weather improves.
  6. Pay attention movements of cloud and wind
  7. When you feel thunder, stop acts soon , and flee to safety place.
  8. Need light baggage.

The END.

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山の花~スイスと日本

2017/4/12

スイスと日本は遠く離れているが、双方に同じとしか思えない花が咲いている。
不思議・・・。
日本列島が大陸と陸続きだった太古の昔から存在していたのだろう。
本稿では、私たち自身が、その目でとらえ撮影した写真にて、そのような花々をご紹介します。

エーデルワイス

学名 レオントポディウム・アルピヌム
Leontopodium alpinum
キク科ウスユキソウ属
Asteraceae Leontopodium
ドイツ語名 Edelweiss
2015年8月 スイス・チェルマットのツフターアルプ付近で撮影。

学名 レオントポディウム・ヤポニクム
Leontopodium japonicum
キク科 ウスユキソウ属
和名 ウスユキソウ
2003年8月 長野県の池の平湿原付近で撮影

 

 

 

まつむし草

まつむしそう 2015年8月 エッシネン湖で撮影

学名      スカビオサ・ルキダ  Scabiosa lucida
マツミソウ科マツムシソウ属 
和名      まつむしそう
2015年8月 スイスのエッシネン湖付近で撮影

 

 

まつむし草 (2003年8月 長野県の高嶺温泉付近で撮影)

 

学名 スカビオサ・ヤポニカ Scabiosa japonica
マツムシソウ科マツムシソウ属
和名 まつむしそう
2003年8月 長野県の高峰温泉付近で撮影

 

われもこう

学名 サングイソルバ・オフィキナリス (Sanguisorba officinalis)
バラ科ワレモコウ属
和名 ワレモコウ
2012年7月 スイス・チェルマットのフィンデルアルプ (Findelalp)付近で撮影

 

 

学名 サグイソルバ・オフィキナリス Sanguisorba officinalis
バラ科ワレモコウ属
和名 ワレモコウ
2003年8月 長野県の高峰温泉付近で撮影

 

 

やなぎらん

学名 エピロビウム・アングスティフォリウム
         Epilobium angustofolium
アカバナ科 ヤナギラン属
        Onagraceae Epilobium
和名 やなぎらん
2015年8月 スイスのゲンミ峠付近で撮影

 

 

学名 エピロビウム・アングスティフォリウム
         Epilobium angustofolium
アカバナ科 ヤナギラン属
         Onagraceae Epilobium
和名 やなぎらん
2003年8月 長野県の高峰温泉付近で撮影

 

 

 

 

なでしこ

学名 ディアントゥス・スペルブス (Dianthus superbus)
ナデシコ科 (Caryophyllaceae) ナデシコ属 (Dianthus)
和名 エゾカワラナデシコ
2010年7月 スイス・ミューレン付近で撮影

 

 

 

 

学名 ディアントゥス・スペルブス (Dianthus superbus)
ナデシコ科 (Caryophyllaceae) ナデシコ属 (Dianthus)
和名 エゾカワラナデシコ
2003年8月 長野県の高峰温泉付近で撮影

 

 

おわり
The END.

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私の山への想い

2017/4/4

私は九州のボタ山のそばで生まれ育った。
小学生の頃には近くのボタ山を攀じ登ったり、野原で虫を追っかけたりして遊んでいた。
それはとても楽しい毎日だった。

私の山登りの原点はそこにある。
私は高い所に立つのが好き。
高い所には登りたくなる。

でも、それは楽しくなければならないと思う。

楽しいためには、安全で快適でなければならない。

20代の頃には、自分の限界に挑戦するような登山を行っていた。
夏から秋には谷川岳一の倉沢、マチガ沢、北岳バットレス、前穂高岳の奥又白谷や屏風岩、冬には甲斐駒ヶ岳の黄蓮谷や八が岳横岳の氷瀑。
一の倉沢の草付で墜落し、命拾いしたこともある。
そして、練習場にしていた奥多摩のつづら岩で墜落し、多くの方々に多大な迷惑をかけてしまった。

山で遭難するというのは、本人の損失だけでなく、家族や同僚、周囲の方々にとてつもない迷惑をかけることになる。
このようなことを二度と起こしてはならない。

また、世の中には、偉大な業績を残した登山家は大勢おられる。
しかし、厳しさを求める登山を40才を過ぎてなお続けた登山家は多くが山で遭難死を遂げている。
それで、自分は厳しさよりも楽しさを求めることにした。

ポリシー

  1. 冬の雪山は登らない。
  2. 岩登り、沢登はしない。
  3. 難しさが力量に見合っているか、危険はないか、情報を集め、安全優先に判断したうえで登るコースを決める。
  4. 悪天候が予想される時は行動せず、安全な場所で天候の回復を待つ。
  5. 風や雲の動きに常に気を配り、雷などの予感を感じる時は、行動を速やかに打ち切り、安全な場所に退避する。
  6. 荷物は行動力を減退させるので、必要性を見極め、軽量化に努める。

おわり
The END.

スイスアルプスハイキングとクラシカルソフトウエア
Schweizer Alpen Hiking and Classical software

 

私が見たスイスの優れた点 ( superior points founded by me in the Switzerland.)

2016/11/3

私は妻とともにスイスを5回旅しました。
その中で感心したポイントが幾つかあります。
一つ目はクリーンな発電(風力発電と太陽光発電)、
二つ目は便利な鉄道、
三つ目は無駄のない土地利用です。

英語版は後日記載します。
I’ll write the English version of this.

クリーンな発電

スイスの人口は2016年で833万人、これに対してスイス国外からの延べ宿泊者数は2016年前半期で910万人。スイスは人口よりも国外からの観光客数の方が多いのです。
人口の2倍の人々の生活を支える電気が必要です。
世界ランキングサイト(http://top10.sakura.ne.jp/)によると、スイスの発電シェアは、水力が56.8%、原子力が37.4%、火力が1.6%、再生可能エネルギーが2.5%となっています。
再生可能エネルギーが火力よりも多いとは驚きです。

ちなみに、日本は水力が7.6%、原子力が1.1%、火力が81.4%、再生可能エネルギーが4.2%となっています。

私は、既存の山間の水力発電所敷地内に小型の風力発電機が、たくさん設置されているのを見て、自然を貪欲に利用する姿勢を感じ、感心しました。

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チェルマットのツムット氷河にある水力発電所構内に設置された風力発電機

 

 

 

便利な鉄道

日本では、鉄道輸送と航空輸送、長距離道路輸送は競合関係が強く、相互連携したサービスの提供は疎かになっているのではないでしょうか?
しかし、スイスでは、出発地の空港で預けたスーツケースを目的地の鉄道の駅まで届ける「フライレールバゲッジ」というサービスや、帰国の際に現地の駅でチェックインし、預けたスーツケースを母国の空港まで届けるサービスが提供されています。
また、ビジネス貨物を大型トラックを走らせて長距離輸送するのではなく、貨物列車に載せて輸送するシステムも活躍しています。

COOPやMIGROSも長距離トラックではなく、専用の貨物列車を仕立てて鉄道輸送を利用している。

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貨物列車に載せられた大型トラック

 

 

 

 

さらに、国鉄と私鉄も競合関係ではなく協力して列車を運行しています。

有名な氷河特急は、スイス国鉄とマッターホルン・ゴッタルド鉄道とレーティッシェ鉄道が協力して走らせている。

このような努力の賜物でしょう、人口一人当たりのCO2排出量は日本の半分です。

スイスのCO2排出量は、3905万トン、世界58位。
人口一人当たりでは、4.7トン。

日本は、120,778万トン、世界5位。
人口一人当たりでは、9.5トン。

無駄のない土地利用

日本では、雑草が生い茂っている遊休地を見かけることが多いと思います。
しかし、スイスでは、そのような活用されていない土地を見かけません。

土地は、工場、住宅や店舗、空港、港、鉄道や道路などの施設に利用されるか、または山の斜面まで耕作や放牧などに利用されています。

放牧された家畜達(牛や豚や羊、やぎ、等)は、実に生き生きと、放牧地内を自由に歩きまわり、自然の栄養に富んだ草を食べていました。

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道端で草を食べる豚くん。
グリンデルワルドで。

 

 

 

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草の丘陵を歩く牛の群れ。
グリンデルワルドで。

 

 

 

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山の草地に群れる羊たち
チェルマットで。

 

 

 

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氷河の近くの草地に群れる牛たち。
チェルマットで。

 

 

 

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鉄道線路の近くで草を食む牛。
カンデルシュテークで。

 

 

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山中の牧場で憩う牛たち。
カンデルシュテークで。

 

 

 

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山中の牧場ですれ違うやぎ。
カンデルシュテークで。

 

 

 

だから、スイスのチーズはおいしいのだと思います。

おしまい
The END.

スイスアルプスハイキングとクラシカルソフトウエア
Schweizer Alpen Hiking and Classical software

 

Our concept

2013/6/3

スイスアルプスハイキング「Schweizer Alpen Hiking」について想うこと

私は大手企業に所属し、お客さまのご依頼に基づくシステム構築やソフトウエア開発に従事してきました。その間、担当のシステムエンジニア、あるいはプロジェクトマネージャの立場で開発現場の中で修羅場を何度も経験してきました。

私は今でも、夜中にたった一人で机に向かったときの寂しい気持ちを忘れることができません。

そのような境遇におられるエンジニアやマネージャの方々がおられることを思うと、心がいたみます。

私はそのような境遇におられる方々に、少しでも心の安らぎをご提供したいと考えました。

スイスアルプスハイキング「Schweizer Alpen Hiking」に関する情報の提供は、あなたに心のやすらぎをご提供します。

これは、私が妻とともに実際に歩いたスイスのハイキングコースを、その時の経験やエピソード、、写真やGPSデータを交えて、その時の雰囲気が伝わるようにご紹介させていただくものです。

伝統的ソフトウエア技術 「Classical software technologies」について

Windows7まで続いたWindowsPCのキーボード環境はWindows8以後、ドラスティックに変わりました。

キーボードがなくなり、画面を直接タッチして操作する「タッチ環境」に変わったのです。

ユーザは、「それまで築いてきたキーボード文化を継続するためには、オペレーションシステムを別のものに乗り換えるか、新しいタッチ環境に適応する進化を遂げなければならない」という困難に直面するようになりました。

この困難がユーザの必要性によって生じたものである場合は良いのですが、そうでない場合には全く余計な負担になってしまいます。

私は世界のユーザが営々と築いてきたキーボード文化は守られるべきだと考えております。

そして同時に、そのようなキーボード文化によって育まれてきた「良いソフトウエア」もまた、守られるべきだと考えます。

皆様のキーボード環境において活躍している「良いソフトウエア」は多々あることと推察いたします。

私は、そのような「良いソフトウエア」を「伝統的ソフトウエア」と呼び、それを支える技術を「伝統的ソフトウエア技術」として守り、育てていきたいと考えております。

S&CHI(エスアンドカイ)の意味

S・・・・スイス語でスイスを表す「Schweiz」
&・・・・and
C・・・・「Computing」のC
HI・・・「Highly empirical knowledge」から「HI」

スイスアルプスハイキングとクラシカルソフトウエア